「好きなことをして生きていこう」
こんな言葉が世間では持て囃されている。好きなことをして生きていれば、24時間365日ずっとハッピーだし、何の苦労もない。素晴らしい人生だ!というようなイメージがあるので、今急速に広まっているスローガンでもある。
ただ、現実には好きな仕事をしていても、ハッピーなことばかりではない。当然苦しさもある。楽しさの中に苦しさがあり、苦しさの中に楽しさがある。好きなことをして生きていける人はほんのごく一握り。なぜなら、苦しいことも受け入れて楽しめる人でないといけないから。苦しい時を乗り越えれば達成感や至福感を味わえる。そうして成長し続けられる人が好きなことを生業にしてずっとやっていられるのだと思う。
逆に、苦しいことがあると拒否反応を示してしまう人もいます。「こんなことは望んでない」「必要としてない」という感じで逃げてしまう。結局、その人が「好きなことで生きていく」ことはできません。なぜなら、自分が好きなことは、やる前からわかることではなく、行動の中で培われていくものだから。
自分の場合は、企画提案営業ですね。過去提案した企業店舗は500以上。営業や企画が好きという意識を持ったことがありません。規模が大きいと企画内容にかなりの思考力を使います。他者と比較されたりして採用されない事も多々ありました。それでも「辞めたい」と一度も思うことなく、毎日自然とパソコンに向かって文章を書いている。誰に強制されることなくこの業界で10年間ひたすらやってきたということは結果的に好きなことだったんだろうと思います。
好きなことを探すのがナンセンスなのはそういう理由で、探して見つかるものでもないのです。もし、「好きな仕事を見つけた」と思って始めてみても、イメージと違ったらすぐ辞めてしまう。ディレクター、ウェブデザイナーやコピーライターなどのクリエイター業界ではそういう人をたくさん見てきました。それは「好きなこと」の中に苦しさを想定していない証拠であり、楽しみに変えようとする能動的な姿勢がないことの現れです。
好きなことで生きていくなら、まずは苦しい時も素直に自分の中に取り込み、楽しみに変える工夫をすること。苦しさは、自分にとって必要なことだから存在するので、ここは避けようがない。だったら、それをクリアして楽しむくらいの気概を持とうじゃないかと。
経営者の方なら共感していただけるのではないでしょうか。